日本人氏名のローマ字表記



我々日本人の氏名は苗字(姓)の次に名前(名)の順で、一部中国や韓国、北朝鮮などを除く諸外国とは順序が逆である。多くの外国では、名(First Name)の次に姓(Family Name)で、多くは真ん中にミドルネームを持つのが普通である。ミドルネームは頭文字のアルファベットだけで表記するのが一般である。

日本にも昔は大久保彦左衛門忠教とか西郷吉之助隆盛などミドルネームを持つ時代もあったが、その時でも苗字(姓)は最初に置いていた。

ところが姓名をローマ字表記する場合は、西洋人に姓と名を判らせるために西洋文化に従って、名+姓と逆に表記して来た。これを今回河野外相が日本古来の習慣に従って、姓+名の順に変えるよう外国メディアに要請する声明を発表した。中国や韓国、北朝鮮が既に実施しているとの理由も付けている。

英国BBCニュースは早速、「Shinzo Abe の名前をAbe Shinzo に変えるのか?」と自分達の文化と感覚に照らして戸惑う表現の見出し記事を出した(こちら英文)。

ローマ字表記を姓+名の順に変えようとの議論は以前から出ているが、私個人的には従来通り、名+姓の順番のままで良いとの考えである。理由として、ローマ字表記は外国人に誤解のないよう理解させるための表示手段であり、何も日本人向けではない。日本人には従来通り漢字で知らせる長年の慣習がある。ローマ字表記はあくまで外国人向けであり、その人達に正しく理解されるような表記なのである。

隣国が既に実施しているではないかとの議論もあるが、その国たちの氏名は日本人のそれに比べて概して短い。習近平(Xi Jinping)や金正恩(Kim Jong-un)とフルネームで記入するだけで、ひっくるめて名前と理解すれば良いが、日本人の名前は比較的長い。“Abe”や“Suga”などは稀少な短い例で、普通は小泉純一郎(Junichro Koizumi)とか片山虎之助(Toranosuke Katayama)など外国人には隣国の名前のように、一括りにして名前として憶えてしまうには至難なものが多い。ロン・ヤスの仲と自慢した当時の総理は、中曽根康弘(Yasuhiro Nakasone)など舌を噛むような長い名はレーガン大統領にはお手上げだったので短縮したに過ぎなかったのである。

日本人名の安倍晋三の漢字表記を「晋三安倍」に変えるという案なら私も異論があるが、現在のローマ字表記は日本人には痛くも痒くもない上、外国人の理解には便利なので、今更語順を変更する必要性は何もないと考える。




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