芸能事務所とテレビ局の力関係



今日のこのブログページは、芸能界音痴というより芸能界白痴の私が取り上げるべきテーマではない。知らない世界のことには触れないのが常識である。ただ、公正取引委員会が首を突っ込んで来たとなると、国民が無視出来ない社会問題である。

ことは公正取引委員会が民放関係者の、「ジャニーズ事務所からテレビ番組編成に影響を及ぼす圧力をかけられた」との証言を取り上げ、約半年にわたる調査の末、「独占禁止法違反につながるおそれがある」として『注意』をしたのが発端である。

問題の核心は、ジャニーズ事務所の圧力に対してテレビ局が一切報道しない。仮に明示の圧力が無かってもテレビ局が事務所に忖度してニュースとして取り上げないという力関係にある。芸能界の情勢に疎い私としては、情報伝搬力の大きいテレビ局の方が芸能事務所に大きな影響力を持っている筈と思っていたが、現実にはその逆だったのである。お目当てのタレントに登場して貰うためには、芸能事務所の覚えを目出度くする必要がある。勢い芸能事務所に非があることを報道するとタレントを派遣して貰えず、その非を報道することは出来ない構図となっている。

今のテレビ番組は、ジャニーズ事務所のタレントによって席巻されている。この事務所から背を向けられると番組が編成出来ない程で、従って事務所のマイナス・イメージを報道することは報復を恐れてとても出来ない。

そこに敢然と挑んだのがNHKテレビだった。常々同局の報道姿勢には疑問を感じる部分もあったが今回は別だった。ジャニーズ事務所が公取から『注意』勧告を受けたことを番組途中のテロップで流したらしい。追っかけて詳報を提供したが民放各局は及び腰か完全に隠蔽した。

こんな場合の報道は、利害関係にあるテレビ局より、事務所の影響が及ばない新聞・雑誌報道の出番である。自由に報道を展開して欲しいところだが、各紙ともテレビ局をグループ傘下に持っているためか報道姿勢が歯痒い。

ここで思い出したのは、ジャニー喜多川氏死去をBBCが報じていたことである。興味ない芸能界のこととして読んでいなかったが、改めて同紙電子版を呼び出して見た(こちら英文)。

流石はBBCである。ジャニー喜多川氏の功績を称する一方、記事の最後には「彼の事務所が業界を支配する力があったため、日本の主要なメディアは敢えて逆らうような報道をする所はどこもなかった」と日本の報道界ではタブーとされた領域に踏み込んだ報道をしている。

こんな報道姿勢こそが、忖度のないバランスのとれたもので、日本のメディアはBBCを見習う必要がある。