内親王の公式外交への疑問



佳子さまが初の公式訪問としてオーストリア大統領を表敬されたニュースに接し、直感として「何のために?」とその正当性と大義名分に疑問を感じた。


皇室外交とか王室外交という言葉がある。海外の王室を見ても一般には、元首か国王・女王、我が国で言えば天皇・皇后の公務の一部でロイヤルファミリーの誰でもが主人公になるという話はあまり聞かない。その国王・女王自身ですら気軽に公務で海外に出かけるのは稀である。


BBCニュースの電子版を見ていると、英国のウィリアム王子とキャサリン妃、ヘンリー王子とメーガン妃一家の動向や写真が毎日のように出ている。開かれた王室を標榜する英国だけに菊のカーテンのような閉鎖的な雰囲気はない。国民に近い行動が生き生きと感じられる。但し、これらの人達が海外へ出かけて王室外交を展開する話は殆ど聞かない。


日本の皇族には国民に認められているような基本的人権は憲法で守られていない。従って、選挙権も被選挙権もなく職業選択の自由はない。公共機関や民間企業で一緒に働くことは出来ない。自分で働いて収入を得ることはなく、国民の税金による皇室費が生活資金になっている。何もしない(実際は何も出来ない)のにカネだけ支払うのは不合理で、何か仕事をして貰おうというのが、平たく言えば「公務」であろう。


その「公務」というのは生易しいものではない。上皇が天皇を退位されたのは高齢による公務遂行困難というのが大きな理由だった。その過酷な公務の中に、国際親善の名で皇室外交と呼ばれる来日使節団接遇や外国訪問がある。


その外国訪問だが、その意義や必要性が十分検討されているのだろうか。英国やデンマーク、オランダ、スペイン、タイ、カンボジア、マレーシアなど王室のある国は、皇族が訪問されてもそれなりの理解は得られるかも知れないが、元々王室を持たないブラジルやフィリピンを訪問されても、おそらくどんな位置付けの人が来たのか、その意味合いは何かと思わせるだけで、どのような皇室外交の効果が得られるかは疑問である。


今回佳子さまが訪問されたオーストリアは歴史的に王室を持っていた国だが、若い年齢層にどのような印象を与えたか。どんな成果があったのか疑問である。在留邦人との人事交流だけでは国際親善の意味はない。