新型コロナはどう収束させるのか



新型コロナウィルスの全世界の感染者は日に日に増加し、その状況は日本でも同じである。よく比較されるのは、100年前に発生したウィルスによるスペイン風邪で、1918年1月に米国で発生して全世界に広まり、1920年12月に収束するまで実に3年もの間、世界中に猛威を振るったと聞くと、新型コロナ渦の先行きも暗澹とさせられる。


スペイン風邪はこの3年間で世界の5億人、世界人口の1/4が感染、死者は1700~5000万人と推測されている。日本では当時の人口5500万人に対し2300万人と約半数が感染し、死者は45万人との記録が残っている。現在の人口との単純比較では120万人が亡くなったことになる。恐ろしい数字である。


医療技術が現代程発展していない時代であったが、当時の政府の取った対策とは「様々な対策を行ったが根本的には無策であった。ペイン風邪の病原体であるH1N1型ウイルスは、当時の光学顕微鏡で見ることが出来なかったから」として闇雲に取った策は、「驚くべきことに、現代の新型コロナ禍における一般的な対処・予防法と驚くほど酷似している」とあり、「沢山人が集まっている所には立ち入るな。電車・汽車などの中ではマスクをかけよ。病人の部屋は別にし、看護人の他は部屋に入れてはならぬ」など、『基本的には「マスク着用」「患者の隔離」など現在の新型コロナ禍に対する対処法と同様の認識を当時の政府が持っていた』とある。逆に言えば、今の政府も100年前より進歩していないことが判る。


その中で、「人ごみに出ない、マスクの着用、うがいの励行、身体弱者はとりわけ注意すること」とし、「学校の休校や人ごみの禁忌」など現在の状態と重複する部分が多い。そしてこれもまた現在と同様、「各地での集会、興行、力士の巡業、活劇などは続々中止か、または閉鎖されていった」とある。


その恐るべき猛威はどうして収束したか。「日本の隅々にまで拡大し、もはやそれ以上感染が拡大する限界を迎えたからで、生き残った人々が免疫抗体を獲得したからである。つまりスペイン風邪は突然の嵐のように世界と日本を襲い、そして自然に去って行った」とされている。


人の力ではどうしようもなかった。医療技術が発達した今も、「日にち薬」のように自然快癒を頼りにし、運が悪ければその犠牲になることを座して待つことになるのか。先の見通しの暗い話である。