今日読み終わった本―「保元・平治の乱を読み直す」

今日読み終わった本:

「保元・平治の乱を読み直す」 元木泰雄 日本放送出版協会

日本の歴史の中で、小説やドラマに良く出てくるのが織田信長以降の戦国時代、次いで幕末から明治維新までの黎明期、これに次ぐのが源平時代であろう。その源平時代は平家物語や義経記が良く読まれているので、平清盛が力を得て以降の物語が良く知られているが、それに先立つ保元・平治の乱はドラマテイックな展開にも関わらず意外と影が薄い。

私個人的には、日本史の中で朝廷分裂の南北朝時代、太平記の記述を中心とした時代に一番興味があるが、それに次ぐのが保元・平治の乱の時代である。児童用図書に「保元・平治物語」があるが、大人になってから意外と読まれていない。学術的な書物はあるが、この時代を舞台にした小説が少なく、私が読んだ限りでは吉川英治の「新平家物語」の導入部分だけである。それ以外は、古典の「保元物語・平治物語・承久記」しかない。

本書は、その古典文学を多方面から考察した、どちらかと言うと学術書である。著者の専攻は、日本中世前期政治史でこの道の専門家である。“読み直す”とあるのは、この古典文学の記述を再考察したものである。その検証のベースは「愚管抄」に多くを依存している。

「保元・平治の乱を読み直す」とのタイトルから、この時代の新たな物語の展開を期待したが、古典の記述の疑義や正当性を個々に検討する論文に終始している。

同時代の研究を専門とする他の学者への反論などから、世間の注目を浴びない狭い時代を研究することだけで一生を捧げる人達がいることにも考えさせられた。





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