「蕨」という字が書けるか

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随分久し振りに、JR「蕨」駅という文字を目にした。盲導犬を連れた男性がホームから転落して電車に接触し死亡した事件を報じた新聞記事からである。私の東京勤務時代、大宮の我が家からの通勤に京浜東北線を利用していて、車窓から良く目にした駅名である。

14年間の東京勤務中、約7年間はこの通勤ルートであったが、蕨駅で降りたことは一度もない。特段の名所やリゾート施設が何もない町だったからである。

蕨駅は、関や呉、萩などと同様、漢字一文字の駅名である。“羽田空港国際線ターミナル”という長ったらしい名に比べて、駅名表示板にスペースが多く簡素である。

休日のある日、この電車を利用していて吊革を持って立っていると、目の前に座っている小学校1~2年の二人の児童が、蕨駅を拠点とした町の地図を書きながら何か話していた。その子供達は、何の躊躇もなくスラスラと“蕨”の字を書いたのである。それを見て私は、毎日車窓からこの駅名を見ていながら書けないことに思い当たった。この字を書く必要性がなかったためである。練習して書けるようになったが、今はまた書けなくなっていた。

親から難しい漢字の名前を貰った子供は、大人が書けない漢字でも難なく書ける。日頃から書き慣れているからである。自分達の住む地域の字も同様で、“荻窪”や“日暮里”なども、首都圏の人では全く問題のない地名が地方の人には書けない。

ところが、自分で文字を書かずにキーボードだけで表記する人達が多くなった現代、地元の人でも“帷子の辻”とか“鞍馬”の駅名も書けなくなっているのではないか。





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