防犯カメラは犯罪防止効果薄い

三年前の丁度6月、新横浜と小田原間を走る新幹線のぞみ号の車中で、ガソリンをかぶって焼身自殺をした乗客がいて、巻き添えを喰った他の乗客1名も死亡した。JR東海/西日本では、デッキの乗降口の防犯カメラを客室内にも段階的に設置し今では9割の車輌に装備を終わっている。それでも今回、奇しくも同じ区間で無差別殺傷事件が起きた。

私の現役時代は、X線装置やCTスキャナーなどの医用機器及び物質内の成分を分析する装置のメーカーに勤めていた。医用機器と言っても、例えば癌細胞や何らかの病巣の有無とその場所を確認する診断装置であり、患部を除去するなどの治療装置ではない。同様に分析装置も、例えば河川の中の有害物質の成分やその量を測定するもので、水質を改善させる水処理装置の専門メーカーとは別である。但し、診断/分析と治療/改善は車の両輪をなしている。

分析装置は、例えば“科捜研の女”のドラマで活躍する各種分析装置のように、犯罪現場の遺留品から犯人を特定する痕跡・証拠を探し出すものであるが、その犯罪を予防し抑制する機能はない。同様に、街中に張り巡らされている防犯カメラは、犯行現場の光景を録画し、その後の捜査に重要な資料となるが、事前にその犯行を防止することは出来ない。

その意味で、“防犯”カメラという表現は正しくない。犯罪を防止することは出来ない。尤も、「防犯カメラ作動中」と大書した看板を出しておくと、犯行を防止する心理的効果はある。この場合は、看板だけで実際にカメラを設置しないでも同じ効果がある。しかし、元々犯行予防は、取締り中のネズミ捕りのように、隠しておくものである。

そんな訳で、新幹線車中にいくら多くの防犯カメラを設置しても犯行は防止出来ない。改札前の荷物検査は非現実的にしても、最近のセンサー技術で凶器発見の対策を検討すべきである。




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この記事へのコメント

巳蛙
2018年06月17日 12:23

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