今日読み終わった本―「承久の乱」



今日読み終わった本:

『承久の乱』 本郷和人  文春新書 2019年1月

「歴史を知るには小説を読むのが一番早い」とは良く言われる話である。まさしくその通りで、日本史の中で最も多く小説の舞台に取り上げられるのは「戦国時代」と「幕末」が双璧だろう。書店や図書館の小説の書棚を見ても判る。次いで「源平時代」か「太平記の南北朝」くらいか。物語を良く読んでいる人は、誰でもこれらの時代の推移に詳しい。従って、NHKの大河ドラマはこれらの時代に集中している。

ところが、日本史の流れの中でこれらのはざ間にある時代は、小説には殆ど取り上げられないか全く無視されている。古代の「乙巳の変」の前後など、ドラマチックな展開がありスターも多いのに何故か人気がない。今回取り上げた「承久の乱」もその時代の一つで、「応仁の乱」と同様、魅力ある登場人物が多い割にはこれらの時代を舞台にした小説は少ない。参考となる文献が少ないのかというとそうでもない。結構豊富な当時の古文書が残されている。「歴史を知るのは小説」と言われるが、その元は立川文庫や歌舞伎などに取り上げられた講談や浪花節などが原典かも知れない。

私はこれら人気の時代から離れた頃の物語に結構興味がある。小説に取り上げられなかったので特に探究欲をそそのかされるためだろう。或いは、「徒然草」や「方丈記」から僅かに推察するだけでは物足りなかったのかも知れない。

本書の著者は、日本中世史の研究に一生を捧げている専門家である。日本史の中で本当の天下分け目の戦いは「承久の乱」と位置付けている。天皇や法王、上皇或いは摂関政治から武士の天下に移った日本史のターニングポイントの視点から解説したものである。

通常日本史研究家は頑迷で、一般人向けに本を書くなど良心的な研究者のすることではないとする姿勢があるが、本書の著者は知る人の少ない時代の推移を極力判り易く、池上彰スタイルで平易に解説している。一ヶ月で終わった「承久の乱」の実戦記録は簡単に処理し、この乱が起こった背景説明に焦点を当てている。



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック