松が取れるとは?



現役時代、私が京都本社から東京支社に転勤した時、言葉だけでなく風習の変化に驚いたことが多々あった。その一つが正月気分の違いである。東京では松の内と言えば1月7日まで、一方京都では1月15日までである。


1月10日頃になって、その年に初めて出会った取引先の人に「明けましておめでとうございます。今年もよろしく」とマフラーと手袋を取って深々と頭を下げて挨拶すると、相手も型通りの返事はするが、「松が取れてから3日になってますよ」と時期遅れの挨拶に皮肉な注意があった。あれっ!京都ではまだ松の内ですよと言いたかったが場所は東京である。郷に入れば郷に従えで頭をかいたことがある。


私の勤めていた会社は1月5日が初出勤で、これは京都本社も東京支社も同様である。勿論、その日から仕事を始めるが、その日から銀行や取引業者が年始の挨拶廻りにやって来る。こちらも霞が関や税関などお役所に出向いて挨拶廻りに行かねばならない。


ところが私が東京に転勤して初めての年は初出勤の1月5日が金曜日、次の出勤日の8日(月)には松が取れている。それから後の正月挨拶廻りは間が抜けているとみなされた。つい初日の5日に全てを突っ込むことになる。ところが相手のお役所は仕事をするかしないかは別として4日から御用始めだから我々民間は忙しかった。


その点京都本社にいた時はのんびりしていた。挨拶に来る業者も、こちらから出向くお役所にも15日までに行けば良いのである。新年の今頃になるとこんな風習の違いを懐かしく回想する。


ところで「松が取れる」とは正月の松飾りを取り払うことらしい。「松の内」とは門松を置く期間から来たものらしい。京都では15日まで置いてあったが、東京ではどうであったが思い出せない。第一、そんな飾り物をした家がご近所にあったかの記憶もない。


京都では15日まで置かれている正月の飾り物は他の地方ではどうなのか。お隣の近江滋賀県に引っ越して来ると関東並みに7日で取り払ってしまう所が多いようである。


どうも「松の内」とは京都だけ15日の風習かと思ったら、我が滋賀県ではその日まで初めて会った人に新年の挨拶をする習慣がある。どうも「松の内」の定義は希薄らしい。





ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

面白い

この記事へのコメント