入れ歯が割れた



「入れ歯」と言えば色気のない表現だが、「義歯」と言えば医療専門用語で尤もらしく聞こえる。ただ口語では「入れ歯」と言わないと直ぐには通じない。今回はその「入れ歯」の話。


恥ずかしながら私は毎食事後、欠かさず歯を磨いているにも関わらず、40才中頃に歯槽膿漏で、一本歯が抜けると隣接の歯がドミノ倒しに抜け、痛みを感じずに抜け落ちた。歯医者によるペンチで無理に抜かれた経験は最初の親不知以降はない。


都度、ブリッジとかで抜けた歯を補っていたが、最終的に上顎6本、下顎4本が奇跡的に残って以来、数十年の間続いている。従って、現在の入れ歯はほぼ「総入れ歯」に近い。ただ、上顎、下顎共に残った歯にワイアをかけている。


当初は健康保険の効かないチタン製の軽いものを使っていたが、それが故障した時に現在の歯科医が無慈悲にも重い肉厚のレジン樹脂に替えてしまった。こちらの方が経済的と言うのが理由である。壊れやすいとの噂があったが、それ以降は安定的に使用していた。


それが先週の土曜日、いつもの通り食後に入れ歯を外して清掃していた時、まるで紙を破るように簡単に下側の入れ歯が真ん中から折れてしまった。さぁ事件で食事も出来なくなる。幸いにしてまだ診察券を持っていたので久し振りだが急患と言って診察を依頼した。


歯科医とコンビニとどちらが多いかとクイズ番組に出る程歯科医は多いが、どの歯科医もいつも混んでいる。前に行きつけの歯科医は5日後なら予約が取れるという。それまで食事を我慢する必要があるのかと憂鬱になったが、幸いにして割れた入れ歯の双方に生き残りの歯に引っ掛けるワイアが残っている。嵌め込むのに時間がかかるがなんとか当座は凌げることが判った。


5日後の予約時間に歯医者に行くと、前回は2007年の来院で久し振りですねと受付嬢に言われた。歯科医は前のカルテを見ながら、「10年以上も同じ入れ歯を使われていたら、歯医者はあがったりだ」と言いながら割れた入れ歯を簡単に溶融接着してくれた。新たな入れ歯を作り直すのに時間がかかることを覚悟だったが、「今新しい入れ歯を作っても、オタクのトシから言って、今修理した入れ歯で十分持ちそうだ。壊れたらまたおいで」と次の予約は不要との宣言を受けた。何だか自分の寿命を予言された気がした。





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