今日読み終わった本―「汚れた桜」



今日読み終わった本:


『汚れた桜』 毎日新聞「桜を見る会」取材班 毎日新聞出版社 202021


副題に「“桜を見る会” 疑惑に迫った49日間」とある通り、一時期国会論議を独り占めにした安倍首相の前夜祭を含む「桜を見る会」の公職選挙法違反、公文書隠滅、税金の私的流用に対する国会、官房長記者会見、野党追及本部によるヒアリングなどから出て来た数々の疑惑と迷走する官邸側の中身のない答弁を毎日新聞のデジタル取材センター所属記者の中の特別取材班がまとめて記録である。


ここには、今まで新聞やテレビ、雑誌で報道されてきた内容の中から、核となる問題点を分かりやすく集約したもので全て先刻承知のことばかりで、新事実を記述するスクープ的な部分はない。疑惑を追及する側と答弁する側の発言内容、出て来た疑惑に対する解説や専門家の意見を記述すると共に、それを取材する報道陣の活動内容など普通では記事にならない裏話が散りばめてあり参考になる事実もあった。


「メディアが伝えない内容」など良くマスコミ批判で出て来る言葉がある。我々一般国民が入手する情報は全て一方向の受け身のものであり、メディアが伝えなければ知らないままで過ぎてしまう。それではジャーナリズムというものが機能しない。しかしメディアは伝えたくても伝えられないケースがある。例えばニュースソースである官憲から情報を採ろうとすればある程度の人間関係、信頼関係の構築が必要である。「信頼関係」の裏にはオフレコは記事にしない行為が必要で、ここに記者の宿命がある。こんな裏話も本書に忍ばせてある。


いずれにせよ、本書から「桜問題」についての新しい話はない。ただ、苦労を重ねて今の立場を得た官僚幹部が、自分でも説明がつかない非生産的な答弁を重ねている事実、明らかな総理の犯罪をこんな形で記録に残しておくことは、後年歴史の中で不毛の時期があったことを伝える重要な資料となる。


コロナ騒動で一時棚上げになっているこの問題が改めて論議される時の材料にもなる。







ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

ナイス

この記事へのコメント