議事録は歴史の語り部



今に伝えられる歴史は、それが世界史であれ日本史であれ、今に残された古文書や歴史家・文学者の著作などの記録から編纂されている。巌や洞窟に刻まれて残された記録もある。企業ホームページには必ず登場する会社の沿革などは、創業以来書き継がれた日誌や製造・販売記録などを資料にまとめられたもので、その中には各種議事録もある。


私は新入社員の若造の頃から、何故か議事録作成者に指名された。私が日頃本ばかり読んでいるので文章作成の表現に慣れているだろうと押し付けられた可能性がある。私がその後組合活動に首を突っ込んだ時、工場内の工場長や管理職と労組の職場支部とのいわゆる「経営協議会」のメンバーとなった時も書記役として議事録作成を任された。


これを契機に、専門家による議事録作成講座やセミナーに参加して議事録の性格や作成方法を勉強した。その後、管理職に転身してもことある毎に議事録作成に参画し数多くの経験を重ねている。定年後老年になった今も、グラウンドゴルフなど趣味のクラブの総会などで議事録を書かされている。


今のように会議の席上にノートパソコンを持ち込んで記録する様式以前からの経験であるため、議事録はまず速記録作成から始める。今は忘れてしまったが、組合活動時代は早稲田式速記法というミミズのような記号を習得して応用したことがある。


その議事録であるが、速記録でないため見易すさが優先され、議決された結論のみを記録するのが主目的である。いちいち発言者名を記載するのは良くないとされている。発言者より発言内容が重要なのである。


コロナ専門家会議の議事録が作成されていなかったことが問題になっている。政府は「委員に自由闊達な議論をして貰うため議事録を作る予定はない」と開き直っている。これは議事録を作成しない理由にならない。議事録がなければ具体的な政策決定過程が検証出来なくなる。


ところが奇妙なことに、当の専門家会議の構成メンバーは「名前を出すのは全然問題ない。政府への提出した提言書には詳しく記載している」と話している(こちら)。


今の政府は「隠蔽内閣」と言われ、何かにつけて隠したい、折角作成した文書も廃棄したり改竄して真実を隠してしまう。コロナ専門家会議の議論の内容も専門家が開示に消極的なのではなく、政府が国民に知らせたくないのである。


将来、日本の歴史は安倍内閣時代を「空白の時代」として、検証する資料不在と非難される。それだけではない。国民は何の行動も起こさなかった無気力の時代とされるに違いない。




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