指示に従い成果を出した忠臣を斬る非情



河井元法相夫婦の選挙違反容疑による逮捕前後から、日々の報道は両名の手段を選ばない数々のカネで買収の実態が報じられている。その際限のなさには呆れるばかりである。説明責任を求められてもダンマリを決め込むだけでなく、公の場に姿を見せない逃げの姿勢が世間の反論を買っている。


報道に用いられる案里議員の顔写真も、本来は美形の若い女性らしい写真が数多くある筈なのに、心持ち顔を斜めに上げて上から目線で白眼を剥き口をひんまげている憎々し気な表情を切り取った同じ写真を何度も掲載して悪女ぶりを強調している。


確かに両名のとった権力を笠に着た行動は許されるものではない。しかし歴史上の人物で悪人とされた人間を、角度を変えて見た場合にその悪行が止むを得なかったと見直された例は数多くある。そんな目で河井夫妻の行動を眺めると、両名は気の毒にも必死になってピエロを演じた喜劇役者に見えて来る。


元はと言えば参院広島選挙区は自民党議員会長だった名士の溝手顕正議員の地盤だった。その溝手議員がかって安倍首相を強烈に批判したことから、首相の強い「恨み」を買っていた。その溝手氏を引きずり落とすため刺客として河井克行議員が県議であった案里夫人を首相に提案した。克行氏のそれまでの行動が首相を補佐した実績があったため、首相はその忠義を認めて法務大臣という要職を与えた。


この時点で、溝手潰しと案里氏を勝たせるのは「首相案件」となった。長年溝手氏を擁して来た自民党広島県議会はこの中央の措置に反発。昨年の参院選は広島では自民党の内紛となったが、長年の溝手氏の地盤は強固である。新人の案里氏にはこれを覆す力がなく、終始劣勢だった。このため、自民党本部から15千万円という巨額資金を案里事務所に送り込み、地方選の応援には出ない首相秘書を何度も派遣しただけでなく、首相自身や菅官房長官も応援に出た。党中央が自党の片側を集中支援するという前代未聞の選挙戦だったのである。


党本部挙げての応援の結果、案里氏が辛勝し溝手氏は落選した。河井克行議員のなりふり構わぬ買収運動は、「首相案件」達成のための汗みずくの成果だったのである。


ところが首相は、河井夫妻が逮捕された瞬間、我れ関せずの姿勢に豹変。国会会期延長も避けて責任追及の場から逃げてしまった。


河井夫妻の拘置所拘留生活は悲劇だが、そのために演じた役割は首相に踊らされた喜劇だったのである。






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