行き過ぎの気がする性差別表現の制限



日本航空の客室乗務員が機内で英語アナウンスする場合の冒頭の常套句、「レディース&ジェントルメン」を廃止すると発表し、海外メディアでも反響を呼んでいる。LGBTなど性的少数者への国際的な支援の拡がりに配慮したものらしい。英国BBCニュース記事の一部は次の通り。


JALはこのほど、機内や空港での英語アナウンスで使用していた「レディース&ジェントルメン」という呼びかけを、10月1日から廃止すると発表した。


ジェンダーニュートラル(従来の性差にとらわれないあり方)に配慮し、「アテンション・オール・パッセンジャーズ」(乗客のみなさんにお知らせいたします)あるいは乗客を性別で区別せずに「皆様」とする表現に変更する。


日本語の場合、一般的にこうしたアナウンスに使用される表現はもともとジェンダーニュートラルのため、今回のJALの変更は英語アナウンスにのみ適用されると、AFP通信は伝えた。JALの英語アナウンスの変更について、日本では大きな話題にはなっていない。(以下略こちら)』


記事の最後には、『日本では同性婚は法的に認められていないが、複数の調査から強い支持があるのがうかがえる』との付言もある。


記事のもある通り、元々日本語には「レディース&ジェントルメン」に相当する日常表現はない。両性を対象として差別する表現もない。ところが外国語ではそれが性差別と類推させる言葉が豊富である。数年前、フランス語で「お嬢さん」を意味する半ば国際語となっている『マドモワゼル』が差別表現とされ使用が禁止されたと聞いた時はショックだった。ドイツ語のフロイラインやスペイン語のセニョリータと並んで、聞くだけで如何にも清純で清々しい印象を与えるのに、齢を喰った女性には「未婚の年増」を意味する女性差別表現とされたものである。独語や西語は自由に使われている。


今回JALが廃止した英語の挨拶も単なる常套句で、日本語の商業文「貴社益々ご清栄の段、大慶に存じます」と同様、全く深い意味はない。長年、人の生活に溶け込んで使われて来た潤いのある言葉を、社会的風潮でヘンなこじつけで廃止するとは殺伐たる世の中になったものである。