トランプ大統領だけではない自己中心社会



トランプ大統領が外向けには、「米国第一」と謳いながらその実は「自分第一」であったことは良く知られている。今朝の毎日新聞」のトップ記事を読んで、現代の人間社会はトランプだけではないとつくづくその思いを新たにした。その見出しは「音響信号8割時間制限」、副題は「横断歩道、住民苦情配慮」とある。これだけで、記事が何を言いたいか判る。


毎日新聞は最近、現代社会の動きについて独自のアンケートを実施しその結果を記事にして問題提起をしている。今回は視覚障碍者に青信号になったらピッポーと音を出して知らせる全国の信号機約2万4千基の内、8割強が稼働時間を制限していることが判明したと伝えている。近隣住民から「音がうるさい」との苦情があり、例えば午後7時から翌朝午前7、8時まで音が出ないよう設定しているケースが多いという。その影響で、音響機能の稼働時間外で横断歩道を渡る歩行者が赤信号と気が付かずに車にはねられて死亡したり、ケガをした事故の事例にも触れている。


全ての音響式信号機の稼働を制限しているか、一部の信号機を制限しているかは自治体によって異なり、都道府県別の実数が報告されているが、時間制限をしていないところはない。全体の半数以下を制限しているのは岩手。宮城、香川の3県のみで、他は全て半数以上の信号機が時間制限を実施している。


この話を聞いて、保育園や幼稚園の新設計画が住民からの苦情により実施されなかった例を何件か聞いた。子供の声がうるさいとの苦情である。昔は子供のはしゃぐ声で元気が出たとか、町内が活性化されたと歓迎されたものだが、今は個人中心の社会になっており、一寸した騒音でも受け入れなくなっている。極端な例は伊丹空港で、空港建設時は周囲に何もない広大な空き地に作られたが、後になって周囲に新興住宅が建ち始め、最終的には後から入って来た住民の騒音訴訟で折角の国際空港が便の少ない地方空港に格下げされた

                                                                                      

世間には、過密ダイアの鉄道の駅近くの踏切で始終警報機が鳴っていたり、お寺の鐘付堂の直ぐ裏に住んでいて早朝に鐘の音で叩き起こされる近隣の住民もいる。いずれも生活の中の音として容認しているのである。横断歩道の音くらいの音量で苦情を言う筋合いは何もないと思う。それよりも、この記事が視覚障碍者保護を中心にしながら、聴覚障碍者に触れていない方が片手落ちである。