読者を動かす報道記事を




感染力がより強い変異株の蔓延もあってか、新型コロナの感染者数や死者の数が急上昇し、4月29日には大阪で新たに確認された感染者数は3日連続1000人超の1172人、死者は1日としては過去最多の44人を記録した。東京でも感染者1027人で3ヵ月ぶりに1000人を超えた。


検査件数の違いもあるが、日本は他国に比べて人口比で感染者数が少ないので感染する確率が格段に低い安心感があってか、また長期化する巣籠り生活からの解放を求めて、政府や自治体の外出自粛要請を無視する人々が増えている。緊急事態宣言が出された東京や大阪での人出減の調査結果では前回に比べ反応が鈍いとの報告もある。その結果、次のような記事が出た(毎日新聞4月29日朝刊)


大阪府によると、50代以下の重症者は、第3波(2020年10月10日~21年2月28日)では201人で全年代の重症者(1148人)の17.5%。一方、第4波(3月1日~4月26日)では50代以下は261人で全年代(758人)のうち34.4%に上った。全年代の死者に占める50代以下の割合も増えており、第3波では1.9%だったが、第4波では8.0%で大幅増だった。


この記事で言いたいのは、最近の急激な感染者増は若い年代に重症者が増えている事実である。第3波の時にはこれを『若い世代は感染しても重症化することは少なく、直ぐ治るので風邪を引いた程度の自覚しかない。従って、行政の自粛要請にも従わない。しかし、感染すれば重症化し死亡しやすい高齢者に感染させる役割を果たしている』(注1)と報じた。


事実、本4月30日毎日新聞の朝刊で、『大阪府は29日、新型コロナウイルスによる1日あたりの死者が、過去最多の44人になったと発表した(中略)。年代別では、80代以上が27人▽70代11人▽60代3人▽50代2人▽40代1人――だった』とこれを裏付けている。


しかし、2つの記事ともに単なる数字の羅列で、多忙で数字に弱いと言われる現代世代には読み過ごされて頭に入らない。新聞記事とは確かに事実を報道することにあり、双方の記事ともにそれを満足している。しかしジャーナリズムには一方で社会を動かす責務も担っている。上記「(注1)」の記事のように読者に受入れられ易い解説記事を加え、若い世代の行政の要請を無視した無責任な行動がコロナ感染者や犠牲者を増やしていることを訴え、社会全体で感染者減に取り組むよう訴える報道をすべきである。



トランプ元米大統領陣営よりの来信


米国共和党議員やトランプ元大統領陣営、またはトランプ氏自身の名で毎日のようにメールによる来信がある。その殆どは活動を支援するための寄付依頼であるが、昨日受け取った来信は寄付依頼ではなかった。


“friend, you have 20 minutes to tell Trump you're joining his social media site. If you don't reply he will think you abandoned him... link expires SOON!

 

Will you join President Trump’s new social media site?“


『トランプ氏が新しく利用した交流サイトに貴方が登録するまで20分の余裕しかない。貴方の返事がなければ、トランプ氏は貴方が彼を見捨てたと理解するだろう。サイトへのリンク登録は間もなく締め切られる。トランプ大統領の新しいSNSサイトへ参加しないか』


トランプ氏は大統領就任以来、自身の政策や考えにツイッターを多用するので有名で、議会演説や記者会見での公表以上に重要視している。ところが同氏の発言内容は根拠に欠ける、いわゆるフェイク(嘘や誇張)が目立ちかねてからその内容が信頼性に欠けていた。時々、社会を混乱させる原因になるとしてツイッター社より削除される目に逢っている。


今年に入って例の支持者による米国議会議事堂への乱入を扇動したとして、ツイッター社や他のオンラインサービスから包括的に締め出され、アカウントが永久停止されてしまった。トランプ氏としては自分の意思表示の最大の手段から閉ざされたことで、他のいろんなアカウントから利用を試みたが、いずれも直ぐに閉鎖され発言の場から締め出された。このこと自体は、発言内容の如何に関わらず表現の自由に反するものとしてメルケル独首相などから異論が出て国際的な賛否の議論が展開されている。


今日の入電には何か画像が含まれており、迷惑メール或いは不信メールの疑いがあるとしてブロック解除を問うボタンがついているが、元々私は共和党支持者リストに登録したことがなく、メールアドレスが流出した結果来信する文字通りの迷惑メールである。ブロック解除を行うと今後ロクでもないことが起こる可能性があるので開けていない。どんな内容か読んで見たい興味はあるが、触らぬ神に祟りなしで無視することにする。


トランプ氏が何か新しい発言の場を見付けたらしいことだけが判った。






選挙のための政治



日本の政界は選挙のために動いている。マスコミも選挙となると俄然元気が出て来る。今回、菅政権初の国政背選挙と位置付けられた衆参3選挙の結果が判明したことで、メディアは一斉に「自民、3選挙で全敗」と鬼の首を捕ったような騒ぎの報道となった。大方は「予想通り」の論調である。


最近は小学生まで良く知られている孫子の「兵法」の中に、「知彼知己 百戦不殆」というのがある。私は少年の頃からこれを「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と覚えていたが、正しくは「彼を知り己を知れば百戦殆ふからず」と読むらしい。誰もが知っている教訓ながら我々の先人はこれに目を瞑って太平洋戦争に突入して国を滅ぼした経験を持っている。


今回の3選挙に対して自民党は北海道の衆院補欠選挙で候補者を立てず、初めから不戦敗を選択した。収賄罪で起訴された吉川元農水省の離党により汚いカネまみれの印象がミエミエの補選だから「己を知って」身を退いた正当な姿勢だった。ではこれ以上に1億5千万円も投じてゴリ押しに当選させた河井案里前議員の巨額買収事件で無効になった広島参院再選挙の場合はどうか。


自民陣営の心の中は、カネまみれの政治に口を閉ざしている中での選挙にヤバイという気持ちはあったに違いないが、歴史的に選挙に負けたことのない強固な地盤を頼りに、カネにはキレイな印象の候補者を擁立して選挙に臨んだ。しかし、1億5千万円投下の背景を一切説明しない菅・二階両氏の応援を足止めされる他、自民本部と県連の確執、応援部隊の公明党の不信を買うなど「知彼知己」に反する行動をとった結果、広島で初の敗北を経験した。


首相は衆参3選挙で自民党が「全敗」したことを受け、「大変厳しい結果」と認めた上で「国民の審判を謙虚に受け止め、正すべき点はしっかり正していきたい」と述べたが、「正すべき点は何か、如何に正すか」を公表し、国民に姿勢を示すとは誰も思わない。それよりも、次の衆院選をどのような態勢でいつ行うか、政局も政党もお得意の選挙のための政治に目が向けられている。喫緊のコロナ対策と対応はまさに次の選挙のためにある。






大阪市職員、1000人超が集団・深夜会食


大阪市の松井一郎市長は23日、1000人を超える市職員が、3~4月に市職員同士で、5人以上または深夜まで会食をしていたと明らかにした。市民に自粛を求めている最中の行為に、松井市長は「市民の皆様に本当に申し訳ない。全て厳重に対処する」と陳謝した。

 職員同士の会食で新型コロナウイルス感染者が相次いだことから、市が調査していた。非常勤などを除く約2万人を対象に、3月1日~4月4日の期間中、「5人以上」または「午後9時以降」の会食の有無を聞き取った。

 緊急事態宣言が解除された3月以降、市は市民に対し、少人数での会食などを呼び掛けていた。(毎日新聞デジラル)

「全て厳重に対処する」とあるが、具体的にどうするかは述べていない。橋下市長時代なら、例の「入れ墨職員」に対する厳しい懲罰のような対策と行動を伴うだろうが、松井市長は最近とみに元気がないように見える。「吉村寝ろ」と言われるように、連日テレビに生出演し全国に発信している吉村知事と比べて精彩に欠ける。都構想の修正版のような条例を市会で通して一息ついたのかも知れない。ただ住民投票に敗れて辞意を表明した「日本維新の会」の代表辞任の次回衆院選挙及び現在の市長職任期満了の2023年4月までまだ十分時間が残っている。

今回の調査結果は今年3月一杯の実績で、コロナ感染者数が急上昇して東京を追い越した現状との因果関係が証明された訳ではない。ただ、飲食店や市民には犠牲と我慢を要請しながら、これを無視する市職員の姿勢は強烈に非難されて良い。「知事や市長は勝手に吠えてろ」との平気で要請に反する行動が一般市民に蔓延し、大阪の感染者が急増して医療崩壊寸前となったのも無理はない。

専門家が「感染力の強い変異株が広がるなか、感染拡大防止と両立し得る人出の水準がどんどん低くなってしまった。それがいまの関西で起きていて、東京でも起ころうとしている(朝日新聞)」と指摘する由縁である。

上掲の毎日新聞記事に「職員同士の会食で新型コロナウイルス感染者が相次いだ」とある。松井市長は陳謝するだけでなく、この調査からどんな場所の会食で何人の感染者を出したかを分析・公表し実効ある対策を講じるべきである。




韓国の慰安婦訴訟判決について



韓国での日本政府に賠償を求める元慰安婦訴訟は、前回1月に同種の裁判で原告が勝訴したのと全く反対の判断が下され原告の訴えが却下された。日本側の主張に沿うものとして我が国のメディアは一様に歓迎の姿勢だが、その理由が「国家には他国の裁判権が及ばない」とする国際法の解釈にある。


法律論を楯にした正面からの正論であるが、平たく言えば「他に日本側に落ち度がある問題でも外国の裁判で日本が罰せられる筋合いはない」と逃げる場合にも使える。しかし、この慰安婦問題は既に日韓両政府間で解決済であることを胸を張って判り易く知らせる方法がある筈ではないか。


戦後20年経ってやっと日韓の国交が回復した。時間がかかったのは、朝鮮動乱があったり朝鮮半島を植民地として支配した日本が韓国と国交を結ぶに当たり両国の債権債務の関係を清算する協議が難航したためである。昭和40(1965)年に日韓基本条約と同時に日韓請求権協定が締結され、日本から韓国に3億ドルの経済協力の無償供与が合意された。無償協力とは、韓国の鉄道道路港湾などのインフラ整備、国営製鉄会社の設立など全て日本の資金で行い韓国は一銭も出す必要のないプロジェクトで、その中には慰安婦や日本企業による徴用工への賠償資金も含まれていた


3億ドルと言えば当時の韓国の国家予算に匹敵する巨額な規模だったが、韓国はこの資金を慰安婦や徴用工への賠償には使わず同国再建に流用した結果、「漢江の奇跡」と呼ばれる驚異的な経済発展を遂げた。韓国政府はこの事実を国民に伝えなかったので、元徴用工や慰安婦は知らないままだったのである。その代わり韓国政府は植民地として君臨した日本に対し反日教育を徹底して今に至っている。従って、慰安婦や徴用工は日本憎しで凝り固まっており、日本に対する訴訟や少女像の世界各地への設置などを続けている。


韓国の執拗な賠償請求コールに対し、日本は何を血迷ったか2015年にも韓国に「和解・癒し財団」を設立し巨額の出資をしている。先の賠償に対し二重払いである。カネで万事解決させる日本の姿勢の表れである。今回の韓国の請求却下判決は慰安婦に対し「アンタらの70%はこの財団から金を受取っているではないか」も理由になっている。


日本は彼らに対して「賠償金は韓国政府に支払い済ですよ。補償を求めるなら日本でなく韓国政府に請求しなさい」と啓蒙し、同時に国際社会に対して繰り返し説明が必要である。日本は韓国に比べて国際社会への発信力に格段に劣る。論理思考力と外国語力では勝てないのである。






脳の一部が壊死



このところ快晴の汗ばむ程の陽気が続く中で所属しているグラウンドゴルフの例会に出席した。河川敷の常設コースは他のクラブの例会も多く、コースを回る順番を待つ程の盛況である。平日にも関わらずコースを埋めている人達は全て現役を退いた高齢者ばかりである。


ご機嫌のコンディションの中で談笑しながらコースを回っていて、同じパーティの女性から怖い話を聞いた。彼女と同じ町内に住む他のクラブ所属の男性の姿を最近見かけないのを何気なく話を持ち出すと、「あんたは(私のこと)胃を切ってしまったが、術後の食事は何でも美味しいと言っている。幸せな男である。話題に出た男性はあんたより半年早く退院し、その後元気でグラウンドゴルフの公式ゲームにも出ていたが、最近新たに脳梗塞で倒れた。結果として何も食べられなくなり食欲も起らないと言う。食欲を起こす命令を出す脳の部位が壊死してしまったと言われた由。止む無く胃にパイプを通して栄養剤を補給している」と言う。


怖い話があるものだとネットでどんな症状なのかを調べて見た。交通事故や老化で脳が損傷を受けると身体にいろんな変調を起こす例がズラリと出ている。人間の脳の機能が如何に大切なものか改めて思い知らされる。その中の片麻痺患者のカテゴリーの中に、摂食・嚥下障害というのがあり、話題の知人はこれに該当するらしい。味覚障害以前の問題で「食べ物が呑み込めない。食べることが出来ない」とあり、これらを司る脳の部位が死滅すれば回復は望めないとある。


私の家の向かいに住む主人は私より10年ばかり若いが、海外勤務から帰って暫くして脳梗塞で倒れ、車椅子生活を強いられている。精神力の強い人で毎日のデイサービス通いに加え、定期的にやって来るリハビリ師の介助を受けて家の前の道を歩く訓練を続けている。夫人の話では、脳の一部が死んでしまったと医師から言われたと聞いた。


一昨日、現役時代に懇意だった同年齢の男の訃報を受けた。技術畑のやり手で常務にまで上り詰めたが、郷里の山梨で亡くなったので詳細は判らない。病気とは縁の薄い元気な男だったので実感が沸かないが暫く病気療養をしていたとの噂がある。


こんなこともあり、私も胃の切除手術後の体力の衰えを痛切に感じる毎日だっただけに、温暖な気候になったにも関わらず気分の重い毎日である。




議員の会食依存生活は治らない?



自民党の稲田議員と国民民主党山尾議員の対談記事が毎日新聞デジタルの特集ワイドに出ている。主題は日本の女性の政界進出の問題点を女性の目から見て論じるものだが、これが今日のこのブログページのテーマではない。元々私は女性の社会進出遅れの問題に対するお二人の意見・見解にはかねがね異論を持っている。ただ、お二人の対談の中に出て来た男性中心の永田町の会食文化について、女性の目から同じ議員の立場での観察に興味を覚えた。


その話題はこの特集記事(こちら)の中段、『永田町の一日は長い。早朝から所属する党の部会があったり、その後は国会の各委員会での審議や、それらの合間に陳情などが入ったりする。夜は夜で会食などが入っていて、「ハシゴ」もザラだ』から始まる部分から終わりまでの記述に集約されている。


ここには、仲間に入れて貰えない女性の立場からのやっかみの色合いはない。むしろ、会食政治が一生の仕事と思っているような男性議員を嘲笑しているような雰囲気も感じられる。確かに今の会食政治・談合政治が議員の一日の仕事なら、家庭や家事の負担から逃げる今の日本の男性にしか務まらない。現実に日本の男性は議員に限らず、押しなべて家庭生活を犠牲にしている。


海外の政治家の多くに会食政治が見られないのは、家庭を基盤とする生活習慣から来ている。菅首相を迎えたバイデン大統領がハンバーガーの昼食を提供しただけで、日本の政治家お得意の歓迎の宴会を開かなかったのは、あながちコロナ感染懸念だけではないだろう。欧米の首脳が海外の要人を迎えた会食は、国賓として余程儀礼的な訪問以外には聞かない。


山尾・稲田対談には「コロナ感染拡大が会食を難しくし、永田町の会食文化に変化をもたらしている」とある。日本の悪しき政治慣習を新型コロナが正すのは将に奇禍と言うべきだろう。ただ、これが女性の政界への進出促進にアクセルの役目を果たすかと言えば全く別問題である。







貧者の一灯



大阪のコロナ感染者が全国でも突出している。このところ人口の多い東京を凌駕する日が続いている。昨日(4月20日)の感染者数は大阪1,153人、東京711人、全国で4,342人で、大阪だけで27%を占める異常さである。両都市とも本日、異常事態宣言を政府に要請する決定を行った。


感染者数は各自治体で検査件数、集計方法など調査基準が異なり同一条件下での発生数ではない。各自治体が独自の手法で公開した最終の公式数字である。また、各自治体の市町村別数字も速報される体制が整っていないので単純比較は難しい。


毎日報道されるのは都道府県別の数字だが、「大阪」と言えば大阪府の42市町村の総計だが、殆どの人が「大阪市」単独をイメージする。テレビ報道を見ても道頓堀とかJR大阪駅前の人出の光景で、そこからは高槻市など地方都市の状況は類推されない。


現実に公表される「大阪」の感染者数の大手は44%が大阪市で、第2位の堺市・東大阪市の各7%と大きな差がある。次いで高槻市・茨木市・岸和田市など各2%と極端に数値が堕ちる。かと言って人口過疎の市ではない。高層ビルが林立し住民の多い都会である。それだけに、夫々市立病院もあり済生会・徳洲会などの大病院もある。


その「大阪」が病床数逼迫で医療崩壊寸前にあると報道されているのは、大阪市内だけでなく全大阪府に存在する病床数のトータル数と推定されるが、対処しきれず我が滋賀県に応援を求めた。大阪は京都、兵庫、奈良に隣接しているが、それらを都に越して滋賀県に応援を求めるのは同県に大病院が多数存在していてコロナ感染者数が比較的少ないという表面上の数字比較から来たものに違いない。


その滋賀県も京阪神の通勤範囲にあるだけに、感染者数は決して少なくはない。県庁所在地の大津市に感染者数が多いのは他の府県と同じだが、長浜市や彦根市、東近江市など地方都市にもクラスター発生などで大津市と遜色のない患者を抱えている特徴がある。コロナの病床占有率だけで56%に達し決して余裕のある状態ではない。


しかし、大阪の要請に応えて一病院の受け入れと看護師2名の応援派遣を決めた。大阪から見れば焼石に水の感があるが、滋賀もいずれ隣接の京都や奈良から声をかけられた場合に備える必要がある。政府の元副大臣だった県知事としては文字通り「貧者の一灯」の決断だったに違いない。



仕事で英語を使いたい人は英会話学校は無駄?



「仕事英語と日常会話は違う」として、仕事で英語を使いたい人ほど英会話学校に行ってはいけない理由を説いた意見がプレジデント・オンラインに寄稿されている(こちら)。目から鱗と持ち上げられているが果たしてそうか。


私は定年直前に、長年従事していた輸出業務を専門に扱う子会社設立の特命を受けた。会社の利益に直接貢献しない業務部門を別会社に移管してオーバーヘッド(間接)費用削減を進める親会社の合理化計画である。人件費の高い26人の部員を引き連れて子会社に出向させ、新会社で採用する人件費の安い社員に業務を引き継いで、出向社員は順次親会社に復社させる三年計画のプロジェクトだった。


新会社では30人近くの若手を新規に採用したが最大の目的は貿易業務で多用する英語に堪能な即戦力だった。新規採用した社員は帰国子女、海外留学終了者、同業他社から転職した経験者だった。採用して判り吃驚したことだが、新規採用社員の内8人がTOEIC 9百点台だった。引き連れて来た26人の出向社員の中には一人もおらず、親会社の人事部長も驚嘆していた。当時の労働市場にはかかる猛者が多く存在したが、新卒採用を基本とする大手企業の視野の範囲外だったのである。英語も巻き舌の流暢な発音で面接責任者の私の立場がなく親会社勤務の米国人に応援を頼んだことがある。


しかし、かかる英語の高能力者を得て即戦力を期待したが、次第に仕事では使い物にならないことが判って来た。TELEXやメールによるコレポン(英文商業通信)は負担が少なそうだが輸出入実務は英語だけでは通用しない。先方との意思疎通がチグハグなのである時発信前の通信文をチェックしてみた。「ここで言う“custom”は何と理解したか」と担当者に聞くと「“習慣”のことです」との答えが返って来た。実は貿易実務の世界で言う“税関”の意味だったのである。


英語力は優れていても、実務力ではTOEICレベルには程遠い親会社からの出向社員には及ばなかったのである。


大学時代、国際政治学の教授が自分では英語の論文を書く力がないので、知人のJapan Timesの編集者に英訳を依頼したら、出来上がった英文はまるで英字新聞で学会では使い物にならなかったと講義で話していた。


確かに仕事英語は日常会話とは違うが、かと言って仕事英語は基礎外国語力の上で威力を発揮するものである。英会話学校を否定するのは間違いである。プレジデント紙への寄稿者は海外留学も否定することになる。





聞かれたことに答えない社会慣習



横綱相撲という言葉がある。相撲界の頂上で君臨する横綱は常に受けて立ち、勝負をするのが本来の姿であると言う意味である。ところが最近の横綱は相手が仕掛けて来るのをガッチリ受け止めることは少なくなり、自ら相手の懐に飛び込んだり、極端な場合はヒラリと身体をかわして逃げるなどの取組みが目に付く。


同様に論戦や議論を交わす弁論の達人であるべき議員が集まる国会の場でも白熱した議論が展開される姿が消え失せた。「聞かれたことに正面から答えない」技術が定着したようで安倍前首相が導入した手法と言われる。「朝ご飯論法」という有難くない名前を頂戴している。言語表現が稚拙か乏しいため論戦を避けて身をかわして逃げざるを得ないためだが、自ら起こした不祥事が原因となっている。


一例を挙げると安倍首相はモリカケ問題解明のため野党が求めた臨時国会召集を3ヶ月もの間応ぜず、逃げ切れないと見て開催したその日に審議なしで解散してしまったことがある。これは国会議員の1/4以上が要求すれば内閣に国会開催を義務付ける憲法第53条違反として野党議員団が岡山・那覇・東京地裁に提訴した。その際、110万円の損害賠償を国に求めた。


その判決が最近相次いで下され、三か所の地裁のいずれも「憲法判断はせず」原告側の訴えを退けた。「安倍内閣は訴訟を起こした一部の原告議員に賠償請求を負う義務がない」と身をかわしてしまった。


違憲性を問われたにも関わらず「憲法判断をせず」ヒラリと体をかわして賠償責任の有無に判決を切り替えたのである。「聞かれたことに対して正面切って答えない」姿勢が政治の世界だけでなく裁判所という憲法の番人と言われる司法の世界にまで及んでいるのである。


ネットで「ご飯論法」をキーワードに検索すると、例がズラリと並びビジネスの現場にまで及んでいることが判る。自分を守るために身をかわして逃げるのは横綱だけではない。日本の社会全体に及んでいる。翻って見れば、安倍さんは結構力があって今の時代の社会に影響力を行使していたのである。




国民の代表が勝手に決める



“The situation is under control (フクシマの状況は統御されています)”とはこういうことだったのか。処理水は海に放出することだったのである。ただ第一報を聞いた時は「いつ決まったのか」という単純な疑問だった。海に流すことにより影響を受ける国民が「止むを得ない」と何時どこで合意したのか聞き逃した気がしたのである。


その後新聞で、「政府は福島第一原発の汚染水について放射性物質の濃度を下げた後、海に流す方針を決めた。新たな風評被害が確認されれば、漁業関係者らの意見を聞き、具体的な対策を練ることも確認した。関係者などが反対する姿勢を崩さない中での決定となった」とある。影響を受ける国民の同意なく、国民の代表の議員による国会審議もなしに、かかる国家の重要問題を「政府」が一存で決めたられることにも驚いた。一瞬、「閣議で何でも決定出来る」慣行が定着した国との印象を持った。


「風評被害が確認されれば具体的な対策を練る」とあるので、現段階では何の対策案もないことが判る。予想される影響についての対策なしでエイヤッ!と決めたことが伺える。


日本は四方を海に囲まれた水産国だから、別に輸出に頼る必要はなく全て自給出来ると思っていたが、調べて見ると日本の魚介類の自給率は59%(2018年度)で半数近くを輸入に頼っている。そう言えば、スーパーで売られている魚の原産国を見ると、サケはチリ・ロシア、エビはタイ・インドネシア、タコはモーリタニア、サバはノールウェイなどの表示が目立つ。我々の食卓に乗る魚の半数近くが外国産なのである。


従って、魚を日本から輸出する必要はなく、自国で消費すれば良い話である。日本から輸出される魚類を見ると、海外の日本食ブームによるマグロ・ブリ・カジキ・サバ・ホタテ貝・ナマコなど我々が欲しい食材ばかりである。風評被害で予想される輸出に対する影響は今でも韓国・中国向けだが別に買って貰う必要はない。日本で消費されていると聞けば、欧米では人気のスシ材を黙っていても買ってくれる筈である。


では日本人は放射性物質入りでも食するのかとなるが、専門家の意見では体内への影響は25年後とのことなので、高齢化社会でそれ迄生き永らえる人は少ない。心配なしに美味しい日本産を楽しめば良いのである。






昨日は新聞休刊日



昨4月12日は新聞休刊日だった。先月が3月15日だったから、「またか」との気がするが休刊日は毎月1回はある。最近の新聞は、締切の早い地方にもよるが、夕刊に報道された内容が翌日の朝刊にも掲載されるケースが散見されるので、月一回くらい休刊になっても不便は感じないが、それでも何か手持無沙汰を感じる。


インターネットの発達で新聞休刊日でもネット配信の電子版で見られるというのが新聞各社の謳い文句であるが、取材陣も休暇を取るらしいので余程の大きな動きのない限り電子版も前日配信されたままの時がある。


昨日はたまたま市内の市清掃局による二週間に一度の新聞・チラシ回収の日だったので、溜まった分を束ねてゴミ集積場に持参したら近所の人が「束のままくれないか」と声をかけられた。理由は新聞の宅配を止めたが敷地に同居の息子家族も元々購読していないことが判ったと言う。「集積場には故紙の束が山と積んであるから黙って持ち帰れば良いじゃないか」と言うと、一旦捨てられたものは如何にもゴミのような気がして生理的に抵抗がある。集積場に置くまでは新品であるとヘンな理屈であった。


その人は農家で、今なら収穫した春野菜などを包むなど包装紙として利用したいが、購読を辞めてしまうと包むものがないことが判ったという。そう言われれば無意識の内に古い新聞紙も再利用していたのである。


我が家では今でも宅配を辞めていないが、向こう三軒両隣で配達員が郵便受けに新聞を放り込んで去って行くのは二軒だけになってしまった。新聞協会の調査によると、一世帯当たりの購読部数は年々減少し2020年は0.61部とある。二軒に一軒近くが新聞をとっていない勘定になる。


今はスマホやパソコンでいつでも最新のニュースに接することが出来る。当初は新幹線車中や街中の電光掲示板のような速報ニュースだったが、今は新聞のようにスペースの制約を受けることなく詳しい論説・解説などが読める時代になった。紙の新聞の購読者数は益々減る方向にあると思われるが、椅子やベンチに座って紙面を拡げユックリ新聞を読む時間は至福の時である。我が家は新聞の購読を辞める積りは更々ない。お陰で包装紙にも使える特典も確保出来る。





孫のような年代に力を貰う


                                                                          

昨年秋に胃の切除手術を受けて退院以降、体重が10キロ近くも落ちて急激に体力が落ちている。医師の助言により激しい運動は避け、朝のウォーキングはそれまで1時間半、7kmが日課だったところ、退院後は少しづつ距離と時間を延ばして来て今では1時間にまで伸ばした。医師は私の年齢からみてそれ以上増やす必要はないと言う。


他に趣味のグラウンドゴルフを退院後は自粛していたが、公式コース32ホールのところ医師の助言で16ホールを限度として練習を開始していた。当然、所属クラブとその上部組織である市の協会の公式行事は5ヶ月欠席を続けた。


4月に入って晴天が続き、市グラウンドゴルフ協会の新年度行事も始まったので久し振りに月例大会と翌日の所属クラブのコンペに出席した。久し振りの参加で協会所属の他のクラブの顔見知りから声をかけられたが、私の顔色を見て随分痩せて老け込んだように見えると無理をしないゲーム運びの助言を受けた。


流石は皆んな年齢を重ねた年の功で見立ては正しく、ゲーム後半には息切れを覚えた。終了時にはベンチの席を譲って貰う程に疲れ感じ、この時に飲んだスポーツドリンクが美味しかった。今迄にない経験である。


仲間からは、もう暫く様子を見た方が良いのではないかと話かけられ、一時はそのように思ったりしたが、この時思い出したのは昨日・今日に大々的に報道された池江璃花子選手の4冠達成のガンバリである。私の場合、入院生活は精々1ヶ月半だったが彼女の場合は10ヶ月、体重は12キロも落ちたと言う。体力の消耗は私の比ではない。


私と違うところは、若さや最高レベルの医師団、トレーナー陣もあるが、何と言っても報じられている強靭な精神力である。どのようなリハビリや体力強化を行ったかは報道されていないが、相当過酷なメニューをこなして来たに違いない。


このニュースを聞いて、孫のような年代の若い女性から年甲斐もなく力を貰った。年齢差による体力の差は庇うべくもないが、精神力だけは見習いたいと思っている。





守山市安全・安心メール



我が滋賀県守山市では市役所の危機管理課にメールアドレスを登録しておくと、災害情報・気象警報・行政情報・防犯情報を適宜メールで配信してくれる。


最近多いのは、その日に発生した市民の新型コロナ感染者数と個人情報に抵触しない範囲での感染者の性別・年齢・感染経路などの情報が毎日入る。その他に、徘徊老人が自宅に帰って来ないと発見した場合の情報提供依頼もあり、この場合は当該者の氏名・住所・身長・服装・出かけた先などムケムケの個人情報が公開されるが第三者への引用禁止の条件が付いている。当人が発見された場合は「見付かりました。ご協力有難うございました」と丁寧な来信がある。


一昨日、下記のメールが入った。


守山市では、4月18日(日)から、市民体育館において65歳以上の高齢者に対する集団接種を開始いたします。本日、接種券や予診票等を封入したご案内を郵送させていただきました。接種を希望される方については、同封しておりますお知らせをご覧いただき、明日以降、予約してください。【接種実施日】(以下略)」


愈々、我が市にもワクチンが来たか。優先順位のトップにいる高齢者としてどんな郵便が来るのかと待ち構える気になる。ところが、その翌日の昨日、続けて次のメールを受信した。


大変申し訳ございませんが、4月は国からのワクチンの供給量が限定的であることから、現在、接種日としてご案内しておりました実施日(4月18日から5月1日まで)の予約受付は、終了しました。

 現時点での予約数には限りがありますが、国は6月末までにはすべての高齢者の皆様に2回接種できる量のワクチンを供給するとしておりますので、本市におきましても、5月以降、国からの供給量が増え次第、すべての方が接種いただけるよう予約数を増やしていく予定でございますので、しばらくお待ちいただきますよう、ご理解とご協力をお願いいたします」。


なぁ~だ。我が地方都市にスムーズに計画通り進む筈はない。今のところ積極的に接種を受ける気持ちはない私には柳に風の情報だが、待ち兼ねている人には足元を掬われた気にさせるだろう。しかし、我が市には対象者が何人いるのか、最近入手したワクチンの供給量は何人分かの情報がない。自治体としても国任せだから止むを得ないのだろう。





歴代首相や議員を騙した原子力発電



現役時代、率先して原発推進を先導し国民を説得していた議員が、第一線から退いたり引退すると一転して反原発派に転向する例が続いている。ブレがないことが身上の政治家としては、己の恥を覚悟の言動である。


「原発再稼働は犯罪的。亡国の政策だ。全部ウソだったとからですよ。原発の『安全』『安価』『安定』、すべて虚構でした」と話したのは、現役時代に国の原子力委員会委員長として精力的に原発推進に動いた中川秀直元自民党幹事長である。毎日新聞デジタルが報じた(こちら)。


元々中川氏だけではない。国の宰相として原発推進を声高に叫んだ元小泉首相が掌を返したように原発廃絶をぶち上げた時、多くの国民はあっけに取られたが、これに呼応するかのように細川、村山、鳩山、菅直人の元首相も続いた。


国家政策として率先して原発建設を推進し実行して来た国のリーダー達が、責任がなくなると一転して水を差す反対運動に転じるのは無責任この上もない。その理由が中川氏の言う「騙されていた。政府も東電も我々も皆、間違っていた。政治、行政、司法や産業界、学界、労働界、マスコミまでが安全神話を振りまき、とりつかれてきた」の意見で共通している。


では騙したのは誰か、原子力の安全神話を振り撒いたのは誰かについての究明はない。専門家は研究テーマの実現、政治家は利権、官僚は天下り先の確保、地元は巨額の補助金収入、電力会社は脱炭素、誰もが原発建設推進で利益を享受していたのである。


「原子力発電」という名は誰もに魅惑的な響きをもたらした。誰もが放射性廃棄物処理の問題を認識していながら先送りにしていた。今の国の国債累積問題を子孫に引き継いで自分達は現下の利益を享受しているのと良く似ている。


我々の後輩、子孫の批判と恨みを買うのは、丁度先の戦争責任を検証せず今の世代に先送りにしているのと良く似ている。日本は総無責任時代にどっぷり浸かっているのである。







Windows10 の隠された不具合



強引にバージョン変更させられながら、数々の使い辛さや不具合、お節介機能に悩まされているWindows10のパソコンだが、また一つ難儀な不具合に遭遇した。ワードで文章を作成中、何も操作していないのに突然画面がチラチラと揺れ動き、入力した文章が全て選択された状態になったと思うと、自動的にワードが異常終了してしまうトラブルである。折角作成した文書が保存されていない状態で終了するので、それまでの作業が無駄になり改めて最初から作成し直さねばならない。


ネットで調べると、『米Microsoftは、Windows 10のIMEを用いて日本語を入力すると、「Microsoft Office」アプリが異常終了する問題が発生していることを明らかにした。文字の種類や文字数などにかかわらず、不定期に発生するという』との誠にケシカラヌ情報があった(こちら)。


Microsoft IMEの“予測入力”機能の影響で異常終了が発生している可能性がある。“予測入力”機能は、初期状態で有効化されていて、影響が疑われる場合は無効にすることで問題を回避できる可能性がある」とある。


デフォルトで“予測入力”が有効化されているということは、その機能がそれなりの必要性があるからであり、これを無効化するとどんな影響が出るかについては説明がなく、「問題を回避出来る可能性がある」とあって完全に回避出来るとは言っていない。


私のブログの原稿は、まずワードで作成し文字数を確認した後、ブログ作成画面に貼付けて投稿することにしている。折角作成した原稿が一挙に消滅してしまうので、また最初から作成する必要があるので時間がなくなり、その日の投稿を諦めてサボル日が増えている。


そのため、作成中の原稿は早目に「名前を付けて保存」し、作成中も頻繁に「上書き保存」のフロッピーのアイコンを押すことを心掛けているのと同時に、WordやExcelの自動保存機能を5分間隔に設定するなど防衛策を講じている。しかし、文書作成に興が乗って「上書き保存」を失念したり、自動保存した文書の回復手順が厄介で折角作成した文書の大部分を失ったことが何度となくあった。


Win10のWordやExcelにかかる欠点がありながら積極的に公表せず、確たる対処法や自動更新で修復しないマイクロソフトの姿勢には不満がある。




新しいモノに飛びつくと損をする話



毎日新聞デジタルに「5Gスマホ買うのが早過ぎた」とガッカリさせられたユーザの声の特集とその解説が出ている。なかなか読ませる記事である。メーカーの凄いスマホとの派手な宣伝に乗せられて、初物は高いのを承知で飛びついて買ったが「料金が高いばかりで何も良いことはなかった」と悔しさで後悔している(詳細はこちら)。


理由は、メーカーは新製品のメリットを派手に宣伝する余り、5Gスマホが使えるサービスエリアが極めて狭く使える地域が限定されていることを説明しなかった、或いは説明を聞いてもユーザが聞き流したからと言われる。


私も似たような経験を持っている。インターネットが初期の頃は電話回線や低速仕様のISDNだった。応答速度は現在主流の光回線に比べるとイライラする程の遅さだったが、当時はそれが普通だった。この通信速度を各段に向上させる新技術としてNTTがADSL回線の普及を発表、そのためにパソコンメーカーもADSL対応の新製品が各種売り出した。


初物には慎重派の私も、日頃パソコンを多用していて通信速度向上を切望していたので、この時ばかりはキャンペーンに飛びついた。大手の電化製品量販店にはNTTの営業マンが出張してPRに力を入れている。ADSL対応のパソコン購入の意思を伝えたところ、私の家の電話番号を聞き出しADSL回線のサービスエリアにあることを確認してくれた。どのメーカーの新製品でも対応可能と言う。即座にパソコン売り場に移動して予め調べてあったNECの新製品とルーターを購入し、胸を躍らせて設定作業にかかったが、どうも接続具合がオカシイ。NECのヘルプデスクと何度も電話した結果、ADSLの回線が来ているか確認して欲しいとの助言を受けNTT大津支局に照会したら「オタクの地域はエリアに含まれていません」と意外な回答を得た。


幸い量販店に出張していた営業マンの名刺を貰っていたので支局と双方に何度も照会したがハカが行かない。そこでNTT大津支局に出向いて支局長宛の直訴状を投函し、「買ったばかりのパソコンと周辺機器を持参するので代金22万円を弁償せよ」と訴えた。


直接の返事はなかったが、NTTの回線工事を請け負う子会社の営業マンが突然やって来て、「ご町内に建設中のマンションに新たに光回線を導入するので、オタクまで延長工事を行っても良い。まだ2ヶ月先になるが工事費はサービスするので支局長宛直訴状を取り下げて欲しい」との懇願を受けた。


こんなことがあって、我が家の周辺の家庭は町内でも予定より早く光回線が設置されることになった。


メーカーの派手な宣伝にはウカツに乗らず、インフラの整備まで確認が必要である教訓となった。




どさくさ紛れで強行の都構想条例



大阪府・大阪市は、コロナ対策で緩和・規制を求めて右往左往している中、二度に亘って住民投票で否決された都構想を「一元化条例」と名前を変えて、どさくさに紛れて可決してしまった。住民投票とは一旦結果が出れば、それが最終となる筈のところを二度も強行したことに批判があった案件である。


二度目の住民投票で都構想が否決された時、旗振り役の吉村大阪府知事、松井大阪市長は「今後二度と都構想の言葉を口にしない」と敗北を認め、松井市長は任期満了後に政界を引退するとまで発表した。


その間もその後も、大阪のコロナ感染者は増えたり減ったりを繰り返し、一時は政府が緊急事態宣言発表を検討していた時には大阪は逆に減少傾向に向かっていた。そこで大阪は緊急宣言でなく、独自に自粛要請・解除を段階的に実施する大阪モデルを提唱、緊急事態宣言の対象地域だったレッドステージ(非常事態)から全国に先駆けてイエローステージに緩和した。直後に感染者数が急増して一日当たり東京を抜く程になって、果ては政府に蔓延防止策重点措置の要請を行うなど、右往左往の対策を講じた。その都度、営業時間の延長や短縮を要請された飲食業界などは堪ったものではない。


そんな混乱の最中の3月24日、市議会は府・市の二重行政を解消する「一元化条例案」を可決、4月1日施行を決定してしまった。元々、都構想は二重行政廃止を軸としていたので、単に名前を変えただけに過ぎない。異なるところは、都構想が大阪市を無くするところを、一元化条例は大阪市を存続させることだけである。ただ、一元化条例は骨子のみで細かい事業や組織などは何も決まっていない。これ程コロナ騒ぎで、吉村知事は連日テレビ生出演などで対策を提案している多忙な中を、一元化条例案可決を急ぐ必要は何もない筈である。


都構想は住民の草の根による運動でなく、日本維新の会の政治課題だったのである。住民投票の結果が出て、住民が疲れ切った後にコロナ騒ぎのドサクサを利用して都構想の名前を変えただけのごり押しの運動であった。


元々の提唱者である橋下元知事、吉村知事、松井市長の三人だけが集まった場では、絶対に公表出来ない言葉で喝采を叫んだに違いない。ただ内容不詳の条例だけに知事と市長の和が保たれている間は成立しても、愛知県のような間柄になれば実行不能となる案件である。






隠れ会食は無くならない



深夜の飲み会や会食の自粛要請にも関わらず、厚労省の役人23人がわざわざ営業自粛に応じない飲食店を探し出して深夜まで送別会を開いていたのがバレて、大臣の謝罪と自らの給与の一部返上を含む関係者の処分が発表された。


田村厚生相は、「国民の信用を裏切り、かかる形になったことに深くお詫びを申し上げる。本当に申し訳ない。早急に事実関係を調査し、関係者の処分を行う」と事件発覚時に謝罪会見したが、この言葉は今まで繰り返された他の閣僚の発言と全く同じで新鮮味がない。従って、類似の不祥事を防止出来ない。中には「再発を防止する」とまで踏み込んだ発言をする閣僚もいたが、その内容が示されず「第三者委員会で調査する」で済ませてしまうので、かかる不祥事が止まるところなく続く。


我々民間企業が何か不始末を起こすと、関係省庁からこっぴどい叱責を受け、謝罪文書の提出を要求される。種類は「始末書」、「顛末書」、「経緯説明書」、「反省文」があり、この順序で取り扱いが厳しい。省庁により取扱いが異なるが、通常「始末書」が一番厳しく作成者は社長名となるので、当事者はこれを避けるべく「反省文」か「経緯説明書」で済ませて欲しいと役人と交渉することになる。省庁も書類によっては地方支署止まりとか本省へ報告などの扱いが異なる。


「始末書」にせよ「反省文」にせよ、必ず「再発防止策」を記載した文書の添付を求められる。これがまた難問で、内容により社内の経営企画室、法務部や広報宣伝部、文書課など専門部署の意見を求めなければならない。何しろ、文書というものは残るもので、後々「これを見ろ」と突き付けられる材料となるので通り一遍の内容では済まされない。


お役所は民間企業に対してはこんな無理難題を押し付けて来るものである。ところが自分達は痛みを覚える対策を取らない。不祥事を起こした閣僚や議員、省庁の官僚や部署は、民間に課している「再発防止策」を公文書として国民に公表して審判を仰ぐべきである。


安倍前首相を筆頭に、政府や役人は文書を破棄・改竄することは得意だが、文書を残すことには大きな抵抗を示すと思われるが、かかる措置でも取らない限り、類似の不祥事は後を絶たない。