英紙の疑問「日本は何故五輪大会を中止しないのか」


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 英国BBCニュースは5月15日、「東京五輪、日本は何故競技を中止しないのか」の見出しで長文の記事を出した(こちら)。開催日が近づくに連れて新型コロナの感染者が急増し、常識で考えれば開催出来る状態ではないのに何故かと思っているらしい表現である(上掲画像)。


日本国内だけでなく海外の一部からも開催中止を求める声は日を追うに従って高まっているのに、「中止についての発言はない」と言うのがその理由である。ここでは、“There’s no word about cancelling the Games“と誰からの発言がないかの記載はないが、この後ろに「医療専門家や世論の大多数の要望にも関わらず」とあるので、発言しないのは日本政府或いは主催者の東京都と言いたいのに違いない。この後に国会での論議の記事が続くので明らかである。


しかしBBC記事は「一体誰が競技中止を決定する権限があるのか。中止はあり得るのか」と疑問を呈しており、その答えとして「IOCと開催都市東京都との契約では、開催契約を解除し、開催中止を選択する権利はIOCにのみあり、開催都市側にはない」と明確に言い切っている。ということは、IOCが中止を言っていないのに東京都や日本政府が中止すると言い出せば、契約違反として日本側は多額の違約料をIOCに支払わねばならないことになる。だから日本側は誰も言わないのであるという理屈である。


となれば、開催中止を決定出来るのはIOCと日本が開催都市契約の範囲内で、共に中止を決定することが唯一の現実的なシナリオ(the only realistic scenario)である。その場合は、IOCや東京都がかけている保険が発動され、巨額の損失の一部が補填される。但し、海外から予想される来客をあてにして改修したホテルやレストランなどの投資は回収出来ない。


もし開催中止となった場合の関係者やアスリートのコメントの一部が紹介されているが、いずれもためらいの声が多い。大坂なおみの困ったようなコメントも紹介されている。


しかし、過去にオリンピックが中止になったのは三回だけでいずれも世界大戦が原因だった。それだけに内外の世論の反対にも関わらず、IOCは中止を検討さえする姿勢さえなく、五輪に詳しい世界の専門家の多くは東京大会は予定通り7月23日に始まるだろうと見ている。その内容がどんなものになるかは誰にも判らない。