飲酒可否は医師の嗜好次第



病院や診療所での診療或いは検査日前後に飲酒が禁止されるケースが結構多い。前日の飲酒が禁止される場合は事前に厳しい通知が出される。病院・診療所側の自衛のために書面で通知される。問題は手術など大袈裟な治療でなく、軽い治療や検査で飲酒可否が不明か微妙な場合、吞兵衛は必ず医者に確認するが、同じ治療や検査でも医者が下戸か上戸かによって指示が異なる。


私がかって東京勤務時代の若い頃、会社推薦の近くの歯科医で親不知が痛んで抜歯したことがある。運悪くその日の夜は先輩の送別会の予定が入っていた。医者に「今夜少々飲んでも良いか。歯を抜いた跡が消毒出来てキレイになるのでないか」と聞くと言下に「イカンイカン、絶対にイカン(怒)!飲むと血が止まらなくなる」と激怒された。


しかし世話になった先輩の送別とあっては欠席する訳にはいかず、酒席に同席した以上は飲まずに我慢することは出来ない(当時はノンアルコールなんて結構な飲料はなかった)。結局医師の指示に反することになった。酒席でこの話をすると「あの老医者は酒が全く飲めないので飲み助に対する理解がない」と誰もが知っていた。翌日、抜歯後の状況を診る診察を受けると「歯茎がキレイになっている」と満足気のコメントだったので「ビールで消毒した」と白状するとまた怒鳴られカルテに記録されたことがある。


似たような話は知人の誰もから良く聞いた。飲み仲間の間ではその医師が下戸か上戸かは誰もが知っている。従って、軽い診療の場合は下戸医に対して敢てムダな質問はしないが、吞兵衛医には積極的に照会して了承を取り自分を安心させるらしい。


私は今朝新型コロナに対する第一回目のワクチンを接種した。かかりつけの医者だったが下戸か上戸かは知らなかったので、念のため今夜の晩酌の可否を聞いたら「飲み過ぎなければ問題ない」と大岡裁定のような回答だった。従ってこのかかりつけ医が飲み助かどうかは判らない。念の為、ネットで調べると同じようなコメントが並んでいた。精々ビール中瓶一本か350mlの缶酎ハイ(度数7%)一缶程度なら可とあった。