継続は力



数十年前の現役時代に、韓国の代理店に聞いた話では、当時の韓国では企業規模の大小に関わらず、毎日始業前の15分間、全従業員に日本語・英語・中国語のいずれかを選択させて外国語会話の訓練を行うことが通例との話を聞いたことがある。複数の韓国取引先からの裏付け話もあった。日本企業による「朝礼」のような企業文化として定着していたものらしい。タレント事務所も例外ではなく、K-Pop などの人気タレントで日本語に堪能な人が多いのはその精らしい。


日本の多くの「朝礼」も始業時刻前に行われているのは遅刻防止の意味もあると言われ、一部従業員から就業時間内に行うべきであるとの声があるが、管理職も業務上の指示伝達、要請という内容ではなく、他社や社会の動きなど一般的な話題を選んで精神教育をする努力をしている。韓国企業でも、自社としては外国語を必要とする部署で仕事をして貰うためでないが、外国語を習得させて一般的な社会人としての素質を備えた人材を養成する経営者理念が根底にあると聞いた。


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その外国語訓練も、日常業務に影響が出ないように毎朝15分間に限られているらしい。それでも毎日続ければ効果が出ているのが継続の背中を押している。上掲の画像はワシントンポストのデジタル版に出ている外国語習得塾の広告で、ここでも「新しい外国語を身に付けるために毎日15分自習ルールを」のキャッチフレーズを掲げている。


15分と言えば、私が大学で英文タイプライターをブラインドタッチで操作が出来るようキーボードの配列を覚える訓練をしていたが、そのテキストでもレッスンは「毎日15分で打つ単語集」で構成されていた。当時、英文タイプライターは各家庭になく、大学のタイプライター収納ボックスに収められていたのを競い合って借りていたのである。


「15分」と言えば毎日継続するのに最も効果的な時間らしい。短いと不十分だし、長ければそれに没頭されてしまう。但し、外国語習得の場合はその中身が問題である。私が小中学生の頃、NHKラジオの”カムカム・イングリッシュ”も15分番組で会話主体だった。続けられていたら多くの日本人は英語が話せたかも知れないが、その後大学入試のための「英語教室」に変更され、文法中心で毎日続けても10年経ってもモノにならない。その点、韓国での訓練とか中国の語言学院のような会話中心の手法を見習うべきである。