メディアの競技選手に対する主観報道



昨日の毎日新聞、「“イケメン”、“美し過ぎる” 日本の古いアスリート報道」と題する特集記事を読んだ。以前から感じていた違和感を共有する人がいるものと気を強くした。今回はアトランタ五輪競泳選手で入賞、引退後英国マンチェスター大学卒業、国際協力機構,国連児童基金のスタッフとして文武両道の井本直歩子氏の幅広い経験談を中心にした特集である。


内容はスポーツ報道記事の中で、本来の実力・技量と離れた選手の外見など記者或いはカメラマンの主観が入る記事が多い現実である。「かわいい」とか「カッコいい」などルックス面やひいては選手の私生活にまで入り込んだ報道が増えている。


井本氏は「私自身はスター選手でもなく取り上げられることが少なかったので、さほど意識しませんでした」と謙遜しているがその実、遜色ない容貌で決してやっかみの視点はない。新聞という公的な場での発言のため、特定の個人名に触れない内容になっているが、このブログページは個人の自由な立場のため、記事の主旨と同じ意見の私の個人的な見解を記述する。


新聞報道は極力主観を押さえ客観的に記述するのが原則であるが、この問題に関しては殊更に記者やカメラマンの個人の好みが目立つ。例えば甲子園の高校野球で観客席で応援する大勢のチアガールの中から良くも遠景から見付けられるものだと感心する程、特定の可愛い生徒にレンズの焦点を当てている。ここには明らかにカメラマンの好みが反映している。


他のスポーツのアスリートの報道でも、例えば長野オリンピックで活躍した岡崎朋美は銅メダルを獲得したこともあってか、他の選手達に比べて格段に露出度が多く、朋美スマイルで全国的な人気者となった。記者達はこぞって彼女を取り上げた。ごく最近では、女子ゴルフの渋野日向子。樋口久子以来の半世紀ぶりの海外メジャー制覇の偉業よりも笑顔の可愛さでその後の成績不振続きにも関わらず、各大会で報道陣に取り巻かれている。


他にも大坂なおみ、池江璃花子、高木美帆、安藤美姫等々、例を挙げればキリがない。大体、本人達の競技上の実力の報道より外観が優先されている。ここには報道の中立性の姿勢は全くない。スポーツ新聞の紙面が競技より芸能界の記事が増えていることから、記者の視点に変動を来しているのかも知れない。